【6月23日 AFP】原油価格の高騰について協議する主要産油国と消費国の会合が22日、サウジアラビアのジッダ(Jeddah)で開かれ、アブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王は、1バレル当たり140ドル台に迫る勢いの原油市場の過熱を解消するため、産油量を1981年以来最高となる日量970万バレルに引き上げたと発表した。

 アブドラ国王は会合の冒頭で「投機家」を批判、一方、増産については石油輸出国機構(Organisation of Petroleum Exporting CountriesOPEC)内でも意見の相違があることが浮き彫りになった。

 アブドラ国王は石油消費および石油税の増加を非難しつつ、「原油価格がこのように不適切に高騰した背景には、市場を損なおうとする投機家の忌まわしい行動がある」と指摘した。

 サウジに続いて増産するかについてはOPEC内でも意見が分かれている。

 また、サウジのアリ・ヌアイミ(Ali al-Nuaimi)石油鉱物資源相は、原油埋蔵量は「数十年」分あるとし、サウジの生産能力を日量1500万バレルまで引き上げる方針であることを明らかにした。

 ヌアイミ石油相は「世界には従来型および非従来型合わせ、今後、数十年間の原油需要をまかなうのに十分な埋蔵量がある。長期的な供給不足に対する懸念が原油高の原因としてあるようだが、それは大きな誤りだ」と述べた。

 ヌアイミ石油相はサウジは生産能力を2009年末までに日量1250万バレルまで引き上げるとし、需要が保証されるならばさらに250万バレルの増産が可能だと述べた。

 ヌアイミ石油相は現在進行中の計画で、同国の生産能力を現在の日量1130万バレルから「来年末までに日量1250万バレルまで引き上げる」と述べた。(c)AFP/Omar Hasan