【6月20日 AFP】高齢化が進み、メタボリック症候群に悩む人々が増える一方の日本では、おもちゃはもはや子どもだけのものではない。おもちゃはいまや、大人たちのストレスや肥満を解消し、孤独を癒やすためのツールとなっている。

 エクササイズツール、踊るロボット、うなずく人工植物――子ども向け玩具の売上が低迷するなか、日本のメーカーはこぞって成長市場である大人向け玩具に注力している。

 都内で19日に開幕した「東京おもちゃショー(Tokyo Toy Show)2008」の主催者も、近年は大人向け玩具の開発が進んでいると指摘する。大人向け玩具は、健康維持だけでなく孤独感の「癒やし」も狙っているという。背景には単身世帯の増加や高齢化がある。

 日本ではこの4月、自治体や企業の健康保険組合に40-74歳の被保険者を対象にした「メタボリック健診」の導入が決まった。男性でウエスト83.75センチ、女性でウエスト88.50センチを超えるとメタボリック症候群と判定され、医師のアドバイスや、生活習慣の改善指導などを受けることになる。

 バンダイナムコグループ(Bandai Namco Group)のハピネット(Happinet)は歩数計「タクシーウォーカー(Taxi Walker)」を東京おもちゃショーに出展。歩いた距離をタクシー料金で表示するユニークな商品だ。バンダイの関係者は「メタボに苦しむ人たちが、楽しみながら積極的に歩いてくれれば。歩数をタクシー料金として表示することで、いくら節約できたか確認でき、もっと歩こうという気になれる」と話した。

 セガトイズ(Sega Toys)は本物そっくりの人工植物「ペコッぱ(Pekoppa)」を出展。2枚の葉が人の話し声に応じて「うなずく」玩具だ。  同社では「ペコッぱ」を、一人暮らしで話し相手のいない人や、言うことを聞かない部下にストレスを感じている管理職に最適だとしている。

 忙しすぎて、あるいは恥ずかしくてクラブに踊りに行けない人には、セガが米ハスブロ(Hasbro)と共同開発したステレオサウンドに合わせて踊る人型ロボット「アンプボット(Ampbot)」がある。(c)AFP/Kimiko de Freytas-Tamura