【6月18日 AFP】欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会(European Commission)は17日、燃料価格の高騰に苦しむ漁業関係者に対する緊急援助を行う方針を固めた。一方、漁業関係者から強い反発を受けたマグロの禁漁措置については撤回しないとした。

 過激化する漁業関係者の抗議活動による強い圧力を受け、欧州委員会のジョー・ボルジ(Joe Borg)委員(漁業・海洋担当)は、漁業部門への公的補助金の上限引き上げを提案した。具体的には、フランスとイタリアが要求している通り、現在1社につき3年間で3万ユーロ(約500万円)を交付していたものを10万ユーロ(約1700万円)に引き上げるというもの。

 また、ボルジ委員は、漁業部門の改革計画の一環である限りは、EU加盟国が、最大3か月間漁に出ていない漁業関係者に対し緊急援助を行うことを認める方針であることを明らかにした。

 これらの提案は、23-24日にルクセンブルクで開催されるEUの漁業相会議で検討される見込み。

 一方、ボルジ委員は、地中海沿岸諸国が求めているクロマグロ巻き網漁の禁止措置については撤回を拒み、クロマグロ巻き網漁期を短縮するとした決定を維持する姿勢を示した。欧州委員会は、漁期短縮の根拠となっている統計に問題があるとの訴えを退け、一部の加盟国が漁獲割り当て漁を守っておらず、乱獲する危険性があると指摘している。(c)AFP