【6月17日 AFP】17日から開催される米中戦略経済対話に先駆け、訪米中の中国企業代表団と米国企業との間で16日、総額136億ドル(約1兆5000億円)の取引が成立した。中国商務省が発表した。また、米中戦略経済対話では、投資協定が締結される可能性もあると報じられている。

 商談の調印式は、ワシントンD.C.(Washington D.C.)の全米商工会議所と、ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St. Louis)の2か所で行われた。ワシントンでは陳徳銘(Chen Deming)商務相、王岐山(Wang Qishan)副首相、全米商工会議所のトム・ドナヒュー(Tom Donohue)会頭らが出席した。

 中国政府の発表によると、ワシントンで調印された締結分野は、ハイテク関連、製造業、通信など35産業におよび、取引総額は83億ドル(約9000億円)。米側は自動車大手のゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)やフォード・モーター(Ford Motor)、半導体や通信機器、IT関連でテキサス・インスツルメンツ(Texas InstrumentsTI)、シスコシステムズ(Cisco Systems)、IBM、オラクル(Oracle)、モトローラ(Motorola)といった大手企業、中国側は携帯市場を独占する中国移動通信集団(China Mobile)などが連なった。ミズーリ州セントルイスで調印されたのは、中国側による大豆や化学製品、通信、電子機器の購入など、53億2000万ドル(約6000億円)相当。

 中国政府によると、今回の米中企業間の商談成立は、多大な対中貿易赤字を抱える米国からの輸入を促進したいという中国企業の計画の一環。ワシントン郊外のメリーランド州(Maryland)アナポリス(Annapolis)の米海軍兵学校で17、18の両日開催される米中戦略経済対話に、精神的な弾みをつけるものとみられる。

 米中の閣僚級協議である戦略経済対話では、金融部門改革から通貨政策、貿易保護に関する圧力、エネルギー安全保障、通商および製品の安全性など幅広い分野について話し合われる。中でも、対話の終わりには相互投資協定の交渉開始が発表される可能性を、産業界は期待している。

 米中戦略経済対話には、王副首相のほか、米国からはヘンリー・ポールソン(Henry Paulson)財務長官、ベン・バーナンキ(Ben Bernanke)米連邦準備制度理事会(FRB)議長らが出席する。(c)AFP/P. Parameswaran