【6月17日 AFP】米国最後の馬肉処理場を経営する企業が、国産馬肉は欧州で非常に高く評価されているとして処理場への閉鎖命令の取り消しを求めていた裁判で、最高裁判所は16日、この企業の上告を棄却した。

 国内では前年まで、テキサス(Texas)州に2か所、イリノイ(Illinois)州に1か所の計3か所の馬肉処理施設が運営されていた。だが、動物保護団体からの圧力を受け、両州で馬の食用を禁止する法律が制定されたことから、すべてが閉鎖された。

 ベルギー企業の子会社、カベル・インターナショナル(Cavel International)によって運営されていたイリノイ州の食肉処理場は、従業員約60人で年間4-6万頭の馬を食肉処理し、年間2000万ドル(約22億円)の収益を上げていた。

 カベル・インターナショナルは、食用馬肉禁止法に強く反発。同社で生産される馬肉のほぼすべてが欧州や日本に輸出されているとして、同法を国際貿易に関する連邦規則を侵害するものだとして訴えていた。

 上訴裁判所は前年9月、同社食肉処理場の操業中止が世界的な馬肉市場にもたらす影響が明確に示されていないとして、この訴えを棄却していた。(c)AFP