【6月16日 AFP】欧州委員会(European Commission)は13日、クロマグロの巻き網漁の漁期を短縮すると発表した。漁獲量の多い欧州各国からは反発が起こっている。

 16日より、ギリシャ、フランス、イタリア、キプロス、マルタの漁船によるクロマグロ漁が禁止される。また、スペインの巻き網漁船については、23日から禁漁となる。

 本来、漁期は6月末までだった。1日当たり550トン、年間漁獲量の9割がこの時期に水揚げされている。

 巻き網漁法を用いない小型のマグロ漁船については、漁獲割当量の範囲内であれば、11月末までの漁期が終わるまで漁を続けることができる。こういった小型漁船は、地中海よりも大西洋東部で多く操業している。

 環境活動家らは「すしなどの日本食が世界的ブームになっているが、需要に応えるために現在のペースでマグロ漁が継続されればマグロは絶滅する」と警告している。

 だが、マグロ漁には「非常に大きな利益をもたらす産業」という側面もある。特に、世界のマグロ消費量の4分の1を占める日本向けにマグロを輸出する発展途上国にとって、この利益は大きな意味を持っている。(c)AFP/Leigh Thomas