【6月16日 AFP】国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は15日、需要の高まりに応え、サウジアラビア政府が7月に20万バレル追加増産する意向であることを明らかにした。

 24時間の日程でサウジアラビアを訪問し、アブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王や、アリ・ビン・イブラヒム・ヌアイミ(Ali bin Ibrahim al-Nuaimi)石油鉱物資源相を含む政府高官と会談した潘事務総長は、英ロンドン(London)に向かう飛行機の中で記者団に対し、「サウジアラビア政府は6月に30万バレルの増産を決定した。7月には20万バレル追加増産される」と発言した。

 この発言に先立ち、紅海沿いのジッダ(Jeddah)で記者会見した潘事務総長は国王との会談について、国王は現在の原油価格は投機的な要因と複数の政策により異常に高いと話したという。また、石油輸出国機構(OPEC)最大の産出国であるサウジアラビアは、「産出量増加でこの問題に対しどのように対処できるかを真剣に検討しているようだ」と述べた。

 原油高による政治的・経済的な影響にサウジ政府が懸念を示しているとの見方もあり、報道によると、サウジ政府は来月の生産量を日量50万バレル増産し1000万バレルに引き上げる可能性もある。

 サウジでは今月22日から、原油価格などについて協議する産油国と消費国の会合が開かれる。原油価格は今月に入って1バレル=140ドル近くまで上昇、世界的なインフレと経済成長の鈍化を引き起こす恐れも出てきた。(c)AFP/Gerard Aziakou