【5月22日 AFP】歯止めのかからない原油価格の高騰で1バレル=150-200ドルの『超高騰』が現実味を帯びる中、米住宅市場の不振と金融収縮に揺れる世界経済が大打撃を受ける懸念が高まっている。

 現在の原油高騰については、一種の投機バブルであり、経済成長の鈍化やエネルギー消費の効率化などによって需要が弱まれば自然に落ち着くとの指摘もある。だが、原油先物価格は過去1年で2倍以上に跳ね上がり、今週ついに1バレル=130ドルを超えた。

 米証券大手ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のアナリスト、アージュン・マーティ(Arjun Murti)氏は、今後半年から2年間で1バレル=150-200ドルの水準となる可能性を指摘する。

 一方、ヤルデニ・リサーチ(Yardeni Research)のエコノミスト、エド・ヤルデニ(Ed Yardeni)氏は、原油の「超超高騰」が世界経済の成長にとどめをさす可能性があると指摘、「米国の景気後退が長期化・深刻化するとともに、世界経済も低迷していくことになる」と話す。

 近年、原油高騰のあおりを受けてきた航空業界への打撃は大きく、米国では小規模航空会社数社が破産申請を行っているほか、同国最大手アメリカン航空(American Airlines)も運行能力を前年比11-12%削減している。(c)AFP/Rob Lever