【5月20日 AFP】アイスランド政府は19日、2008年度割当て分の商業捕鯨を20日から再開することを明らかにした。

 農業・漁業省のステファン・アスムンドソン(Stefan Asmundsson)氏がAFPに説明したところによると、2008年の捕鯨期間は20日から9月までで、割当て量はミンククジラ40頭。

 アイスランドは1990年の国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)会合で採択された商業捕鯨モラトリアムに従い、16年間にわたって商業捕鯨を停止してきたが、2006年10月、国際社会の非難を受けながらも商業捕鯨を再開した。

 今年度の商業捕鯨については、これまで態度を明確にしてこなかったが、これについてアスムンドソン氏は、事前に鯨肉の市場需要の把握が必要だったためとしている。

 今回の捕鯨再開決定については、早くも動物保護団体などから非難の声があがっている。

 国際動物福祉基金(International Fund for Animal WelfareIFAW)英国支部のロビー・マースランド(Robbie Marsland)支部長は、「クジラは絶滅の危機にひんしており、商業捕鯨の再開はすでに逼迫(ひっぱく)した状況にあるアイスランド経済にも、同国の国際的イメージにもマイナスだ」と述べ、政府に再考を強く求めた。

 現在、商業捕鯨を行っているのはアイスランドとノルウェーの2か国。これに加え、日本が科学的調査目的として調査捕鯨を行っている。(c)AFP