【5月9日 AFP】ブラジル政府は8日、国内のエネルギー状況を概観する報告書「National Energy Evaluation(国内エネルギー評価)」を発表し、2007年の同国のエネルギー源に占める割合で、エタノールをはじめとするサトウキビ由来燃料が初めて水力発電を上回ったことが明らかになった。

 サトウキビ由来燃料がエネルギー源に占める割合は前年の14.5%から16%に上昇した。一方、水力発電による電力の割合は前年とほぼ同じ14.7%だった。

 最大のエネルギー源は依然として石油で、その割合は36%となっている。

 国営エネルギー関連調査会社Energy Research CompanyMauricio Tommasquin氏は記者会見で「2007年は(エネルギー業界にとって)歴史的な年となった。この趨勢(すうせい)を元に戻すことはできない」と語った。

 Tommasquin氏はさらに、政府は現在新たな水力発電所を計画中だが、エネルギー資源としてのサトウキビ由来燃料は今後、水力発電よりも重要度を増していくだろうと予測した。

 現在、ブラジル国内の自動車の80%以上が、エタノールとガソリンのどちらか、あるいはその混合燃料で走行するタイプとなっている。

 エネルギー需要は前年比5.9%増で、ガソリン換算で2億3940万トンとなった。(c)AFP