【5月10日 AFP】イスラエルは2003年から2007年にかけて史上最長の経済成長を遂げたが、国内のアラブ人コミュニティは逆に苦境に陥りつつある。国内の人権団体「Adva(本部:テルアビブ)」が5日、このような報告書を発表した。

 それによると、2003年に10.7%だったイスラエルの失業率は2007年には7.3%になったが、アラブ人に限れば2007年の失業率は10.9%だった。

 2001-2007年の貧困家庭増加率は、同じく経済的に恵まれていないとされる超正統派ユダヤ教徒の9%に対し、アラブ人は29%だった。Advaの報告書によれば、2007年の時点でアラブ人家庭の半数以上が貧困家庭だとしている。

 イスラエルでは2003-2007年、国内総生産(GDP)の成長率が年平均5%という好景気に沸いたが、アラブ人コミュニティの経済は、その恩恵を受けないどころか、むしろ悪化しているという。以上の統計について、「政府もビジネス界もアラブ人コミュニティを無視してきた。政府は、アラブ人地域の経済インフラの整備にお金をつぎ込むべき」とAdvaのディレクターは語る。

 イスラエルのアラブ人の大半は、1948年の建国後も国に残った16万人のパレスチナ人の子孫だ。同国の人口は約710万人、うちアラブ人が約120万人を占める。(c)AFP