【4月26日 AFP】ブラジル政府は24日、価格が高騰している国内コメ価格の安定のため、コメの輸出を一時的に停止することを発表した。また、価格上昇圧力を緩和するため、160万トンある政府在庫からコメを一部売却する計画も発表した。

 政府高官によると、アジア市場での消費拡大を受けコメ価格が世界的に高騰する中、ブラジルではコメ卸値価格が1日に1%の割合で上昇している。

 レイノルジ・ステファネ(Reinhold Stephanes)農牧相は、今年いっぱいの国内供給量を確保するために輸出の一時停止は不可欠であると述べた。

 ブラジルは世界のコメ市場における主要な産出地で、年間1200万トンを生産している。そのうち大半は国内で消費されており、ごくわずかの量が輸出されている。

 しかし、輸出市場は国内と比較して利益率が高いため、ブラジルの農家の多くが輸出市場に注目し始めている。

 ブラジル農牧団体のRicardo Cotta氏は、輸出停止は最大の関心事であり、海外との取引停止は好ましくないとし、コメ農家は過去数年にわたって生産価格の上昇に見舞われていると述べた。また、今年度のコメ収穫量は前年比6%増になるとの予測を示した。

 農牧省の農業政策担当官は、政府が備蓄在庫を一部放出したのは「黄色い注意信号が点滅している状況だから」と説明した。

 農牧省の担当官らと農家代表らは24日に会合を開き、政府による価格緩和政策の具体策に関する調整を行った。(c)AFP