【3月29日 AFP】キューバ政府は28日、携帯電話の所持を一般市民にも広く認めるとする国営通信会社エテクサ(Etecsa)の告知を、共産党機関紙グランマ(Granma)に掲載した。実兄フィデル・カストロ(Fidel Castro、81)氏の後を継いで元首に就任した、ラウル・カストロ(Raul Castro、76)新政権による規制緩和となる。

 これまでキューバでは、携帯電話サービスは始まっていたものの、一般市民が個人として携帯電話を持つことを許されていなかった。また、機器類も高価で、主に外国人や政府関係者に利用が限られていた。

 エテクサの告知によると、携帯電話を利用するには兌換ペソでの支払いが必要。1兌換ペソは1.08米ドル(約107円)で、これは約24キューバ・ペソに相当する。新たに携帯電話契約を結ぶには111兌換ペソ(約1万2000円)掛かるうえ、通話料はキューバ国内で50米セント(約50円)、米国へは3米ドル(約300円)と、平均月収が408キューバ・ペソ(約1800円)の一般市民には高嶺の花となる。

 キューバで約50年にわたって政権を握っていたフィデル・カストロ氏が今年2月に引退し、実弟のラウル・カストロが国家評議会議長となって約1か月。ラウル・カストロ新議長は就任時、キューバ国民に評判が悪い行きすぎた規制を緩和すると明言。今月25日にはコンピューターとテレビ、ビデオ機器の販売禁止を撤回している。(c)AFP