【3月25日 AFP】米銀行大手JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)と米証券大手ベアー・スターンズ(Bear Stearns)は24日、JPモルガンによるベアー・スターンズの買収額について、1株あたり10ドル、総額10億ドル(約1000億円)以上に引き上げることで合意したと発表した。

 JPモルガンは当初、ベアー・スターンズの買収価格を1株あたり2ドル、総額2億3600万ドル(約240億円)としていたが、ベアー・スターンズの株主らから評価が低すぎるとして批判がでていた。

 米株式市場の開場直後に発表された共同声明によると、両社の取締役会は買収価格の修正を承認したという。それによると、ベアー・スターンズの普通株1株=JPモルガン株の普通株0.21753株の交換比率で株式交換を行う。16日に発表された当初の交換比率は、ベアー1株=JPモルガン0.05473だった。

 共同声明によると、ベアー・スターンズの取締役会は、満場一致で修正価格での買収に賛成する意向であるという。

 JPモルガン側も引き上げ後の価格での買収に合意しているが、この新たな合意によって、米連邦準備制度理事会(FRB)によるベアー・スターンズへの融資が削減される可能性がある。

 FRB傘下のニューヨーク連銀(Federal Reserve Bank of New York)はベアー・スターンズの買収を支援するため、主に住宅ローン市場での損失処理資金として、290億ドル(約2兆9200億円)の特別融資を行うとされる。この融資額も当初は、300億ドル(約3兆20億円)とされていた。(c)AFP