【3月17日 AFP】(一部更新)米大手銀JPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)は16日夜、資金繰りの悪化が伝えられていた米証券大手ベアー・スターンズ(Bear Stearns)の買収に両社の取締役会が合意したと発表した。買収総額は2億3600万ドル(約230億円)となる見通し。

 買収は、ベアー1株=JPモルガン0.05473株の割り当てで株式交換を行う。1株当たりの価値を2ドル(約194円)を見積もったことになり、14日のベアー株終値を元にした時価総額、35億4000万ドル(約3450億円)を下回った。

 ベアー・スターンズは、信用力の低い個人向け(サブプライム)住宅ローン問題のあおりで資金繰りが極度に悪化。14日の株価は47%下落し30ドルまで落ちこんだ。

 JPモルガンは、ベアー・スターンズの債務保証コストなどを考慮した最終的な買収総額を6億ドル(約580億円)と見積もっている。
 
 JPモルガンによると、買収は米連邦準備制度理事会(FRB)の承認を得ており、政府関係者からも迅速に買収が行われることを望んでいるという。また、ベアー・スターンズの流動資産処理資金として、ニューヨーク連銀(Federal Reserve Bank of New York)から300億ドルの支援を受けるとしている。

 米政府やFRBが一金融機関の救済に乗り出すのは異例で、事態の深刻さを浮かび上がらせる結果となった。(c)AFP