【3月5日 AFP】ロシアの政府系天然ガス独占企業ガスプロム(Gazprom)は5日、ロシアがウクライナ領内を経由して欧州連合(EU)に供給している天然ガスの流用をウクライナが計画していると非難した。

 ガスプロムのセルゲイ・クプリヤノフ(Sergei Kupriyanov)広報担当は、ウクライナ国営エネルギー企業ナフトガス(Naftogaz)から、「24時間以内に欧州向けのガス供給を6000万立方メートル削減する」と通告されたことを明らかにした。クプリヤノフ氏によるとウクライナ側は、ロシアがウクライナ国境へ輸送しているガスの国内転用を計画しているという。

 EUへのガス供給については、ガスプロムによるウクライナへの供給削減の影響が及ぶことはないと、ユリア・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)ウクライナ首相が保証したことが伝えられたばかりだった。

 ウクライナの未払いが6億ドル(620億円)相当に上ると主張するガスプロムは4日、ウクライナへのガス供給削減幅を50%に拡大した。天然ガス債務支払い問題をめぐるロシア、ウクライナ間の争いは激しさを増している。(c)AFP/Nick Coleman