【2月25日 AFP】豪華客船クイーン・エリザベス2世(Queen Elizabeth II)号が24日、オーストラリアのシドニー湾(Sydney Harbour)に入った際、姉妹船で新型の豪華客船クイーン・ビクトリア(Queen Victoria)号との歴史的な「ランデブー(すれ違い)」が実現し、この場面を一目見ようと数千人が集まった。クイーン・エリザベス2世号は引退が決まり、最後の航海に出ている。

 新旧豪華客船2隻のランデブーは、オーストラリアの夏の太陽の下、現地時間午後6時30分ごろに実現。キュナード(Cunard)社の豪華客船2隻は、シドニー湾に浮かぶ小島のフォートデニスン(Fort Denison)をはさんで警笛を交わしながらランデブーを果たした。

 30年前の同日、初めてシドニーに寄港したクイーン・エリザベス2世号はランデブー後、サーキュラー・キー(Circular Quay)の埠頭に到着した。処女航海中のクイーン・ビクトリア号は、ブリスベーン(Brisbane)へ向けて出発した。

「歴史的なロイヤル・ランデブー」と呼ばれる今回のイベントについて、廃船が決定しているクイーン・エリザベス2世のイアン・マクノート(Ian McNaught)船長は、クイーン・エリザベス2世号にとっては悲しい瞬間であると述べた。

「一方で、祝福すべきこともたくさんある。クイーン・エリザベス2世号は40年近く航海を続け、航海距離は600万マイル(約1000万キロ)、これまでの乗客数は250万人に上る」(同船長)

 クイーン・エリザベス2世号は、この後メルボルン(Melbourne)やパース(Perth)に寄港する。今年11月に引退した後、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)で豪華客船ホテルとして生まれ変わる。(c)AFP