【2月19日 AFP】香港(Hong Kong)の英語日刊紙スタンダード(Standard)は18日、中国南部にある香港資本の工場のうち、最大で1万4000か所が数か月以内に閉鎖される可能性があると報じた。今月上旬の記録的な豪雪などさまざまな要因が重なり、操業が困難になったためだという。

 スタンダード紙の取材に応じた香港工業総会(Federation of Hong Kong IndustriesFHKI)の陳鎮仁(Clement Chen)会長は、豪雪の影響で労働力と電力が不足し、工場の操業が困難になると語った。

 過去50年で最悪の被害となった豪雪により、中国国内では交通網がまひ。北部からの出稼ぎ労働者数十万人が旧正月の帰郷ができず珠江デルタで足止めされた。その後、労働者の大半は帰路についたが、陳氏の推定では工場の操業が再開した18日になっても、全体の3割以上がいまだに職場へ戻っていないという。

 全体で960万人が働く中国南部の工場数は約7万。うち7割が香港資本だ。

 陳会長は香港資本の約1万4000工場が年内に閉鎖されると見る。原因は賃金上昇、原材料・原油価格の高騰、元高や米国経済の減速。同会長は「豪雪は状況を悪化させただけだ」と指摘する。

 ほかにも、工場が多数立地する南部広東(Guangdong)省と労働者たちの故郷の賃金水準との格差が縮小したことから、故郷で働くことを選ぶ人々も増える可能性がある。

 陳会長は「これまでの経験から、旧正月後に戻ってくるのは100人中70人だけだろう」と予測している。(c)AFP