【2月17日 AFP】ニューヨーク・タイムズ(New York Times Company)、トリビューン(Tribune Co)、ガネット(Gannett)、ハースト(Hearst Corporation)の米新聞大手4社は15日、共同出資によるインターネット広告販売会社クアドラント・ワン(quadrantONE)を設立したと発表した。

 ニューヨーク・タイムズ・カンパニーはニューヨーク・タイムズ(New York Times)を、トリビューン・カンパニーはシカゴ・トリビューン(Chicago Tribune)やロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)などを所有する。ガネットはUSAトゥデー(USA Today)を発行。ハーストはサンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)を傘下に持つ。

 暫定最高経営責任者に就任したダナ・ヘイズ(Dana Hayes)氏は、「各新聞社によるクアドラント・ワン設立でインターネット版読者の集約が期待され、全米レベルの大規模な広告も、瞬時に大都市圏などに住む数千万人に伝えることができる」と声明で述べた。

 クアドラント・ワンは全米の潜在的顧客を求める上質な広告主の獲得を目指す。

 クアドラント・ワンに出資した各新聞社によると、毎月5000万人の読者が同社が展開するネットワークの広告を目にすることになるといい、全米の大都市圏や人口の密集する30地区のうち27地区がカバーされるという。

 出資した各新聞社が傘下のサイトにクアドラント・ワンの広告を掲載することで、「強い競争力を維持しながら広告主に合わせた個別の広告戦略に対応する」という。

 ヘイズ氏は、「全米の数百のローカルサイトに、一斉に同じ広告を打つことを想像してほしい。これこそ(クアドラント・ワンの持つ)ネットワークの力」と強調する。

 クアドラント・ワン参加各社は、巨大な集客力を誇るポータルサイトを持つインターネット広告王手のグーグル(Google)やヤフー(Yahoo)にも全米レベルで対抗できると話す。

 クアドラント・ワン参加の4社は、本業となる新聞発行のほか、インターネット、ラジオ、テレビの各分野に進出している。(c)AFP