【2月18日 AFP】米国でのしょうゆ販売シェア60%を占めているキッコーマン(Kikkoman)の代表取締役会長兼CEOの茂木 友三郎(Yuzaburo Mogi)氏は13日、アフリカでの事業拡大の可能性を示した。

 茂木CEOは南米とアフリカ市場における莫大な可能性を指摘。特に南アフリカは、米国と同じく肉の消費量が多いため有望だと述べた。東欧やロシアを中心にした欧州でも、しょうゆの市場は急速に成長しているという。同社製のしょうゆが現地価格の5倍以上もする中国でも、所得の上昇に伴い、今後20年で大幅な増益が見込まれるという。

 2006年度のキッコーマンの営業利益220億円の約半分は海外事業によるものが占めた。同社は和食文化を海外に広めることに力を注いでおり、茂木CEOは和食の海外普及活動を行っている特定非営利活動法人「日本食レストラン海外普及推進機構(Organisation to Promote Japanese Restaurants AbroadJRO)」の長を務めている。JROは農林水産省の支援により設立され、海外で「真の和食」を認定するキャンペーンを行っている組織。

 茂木CEOは、変貌を遂げつつある和食に寛容な姿勢を示しており、和食をより幅広いものとしてとらえようとしている。たとえば、米国で人気のアボカドとカニの海苔巻き「カリフォルニアロール」は和食の1つだとしている。

 ただ、海外で和食の事業を展開するには技術的な問題があるという。海外の和食レストランでは生魚の扱い方に詳しい料理人がいない場合があり、そうした店ですしや刺身を出すのは非常に危険だと指摘している。(c)AFP