【1月30日 AFP】仏銀大手ソシエテ・ジェネラル(Societe Generale、ソジェン)が49億ユーロ(約7600億円)の損失を計上した巨額不正取引事件に絡み、仏政府は29日、同行の敵対的買収を断固阻止すると表明した。一方、同行のダニエル・ブートン(Daniel Bouto)会長に対し、今回の事件をめぐり引責辞任の圧力が強まっている。

 クリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)経済・財務・産業相は「同行は危機的状況にある」とした上で、同行理事会に対しブートン氏の進退を決定するよう求めた。

 ラガルド産業相は、ブートン氏の辞任は必ずしも必要とは限らないとの見解を示しているが、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は28日、ブートン氏の会長としての管理能力に疑問を呈し、与党国民運動連合(Union for a Popular MovementUMP)副党首で、同国議会上院の財政委員会のジャン・アルテュイ(Jean Arthuis)委員長も「ブートン氏に辞任以外の選択肢はない」と主張した。

 ソジェンが買収の標的になるとの憶測から、同行の株価は上昇しているが、フランソワ・フィヨン(Francois Fillon)首相は29日、同行を標的にした「敵対的」買収は政府として許可できないと警告を発した。

 同首相は「ソシエテ・ジェネラルはフランスを代表する大手銀行。政府は、同行の大手としての、また世界的な立場を守っていく方針だ」と述べた。

 国内では、BNPパリバ(BNP Paribas)とクレディ・アグリコル(Credit Agricole)の2大大手銀行が、業界第3位のソジェン買収に乗り出すとの見方が広がっており、また英銀大手HSBCやバークレイズ(Barclays)も買収に名乗りを上げる可能性もあるとみられている。(c)AFP/Eve Szeftel