【1月20日 AFP】(22日 一部更新)ドイツのベルリン(Berlin)で18日から1週間の日程で世界最大規模の農産物見本市「国際緑の週間(Grune Woche)」が開催されているが、環境保護と地球温暖化防止に向けた取り組み強化に対する農業従事者の見方は賛否両論だ。

 農業が気候変動に与える影響は、その他の産業に比べれば小さいと考えられてきた。また農業は、地球温暖化の犠牲とみなされることも多い。こうしたことから、大々的な環境保護対策を求める声に反対する農業従事者は数多い。

 とはいえ、牛の腸内ガスに起因するメタン発生、化学肥料への硝酸塩の使用、アンモニウムや二酸化炭素(CO2)を含む物質の使用といった事実を考慮すれば、農業も決して「ピュア」な産業とは言いきれない。

■温室効果ガスの排出、畜産も

 欧州連合(EU)統計機関ユーロスタット(Eurostat)によれば、EU全体の温室効果ガス排出量に農業由来の排出量が占める割合は10%。うち半分は畜産に由来する。

 乳牛1頭あたりのメタン排出量は年間100キロに達するという。

 マリアン・フィッシャーボエル(Mariann Fischer Boel)欧州委員会(EC)委員(農業・農村開発担当)は、域内共通の新たな農業政策の下、助成金支給の条件として気候変動対策関係の目標値を加えることを検討中だ。

 対策強化に対する現場の農業従事者の見方はさまざまだ。化学化・機械化・大型化などを追求する集約農業のほうが望ましいとする声もあれば、集約農業は環境にとって好ましくないとする声もある。

■牛肉の消費なくせばCO2削減?

 化学肥料の使用量を減らした生物学的手法に基づく生産量削減を訴える者もいる。さらに、畜産と牛肉消費そのものをやめればいいとする極端な意見もある。どうしてもステーキが食べたければ、有機餌だけを与えた牛を育てればいいのだそうだ。そうした牛のCO2排出量は、従来の手法で育てられた牛の4分の1と言われる。

 だが有機農業への道は遠い。気候変動説そのものに懐疑的な声も聞かれる。オーストリアでブドウ栽培を営む男性は「要するに税金集めの一手段、われわれの稼ぎを吸い取るのが政府の狙いさ」と憤った。

 「ベルリン国際緑の週間」は27日までの開催日程で、52か国から1600以上の出展者が参加している。(c)AFP/Mathilde Richter


【お詫び】上の記事は本来、20日掲載の『世界最大の農産物見本市、「ベルリン国際緑の週間」』と別の記事として掲載すべきものでしたが、編集部の手違いにより、当該記事を上書きするかたちで更新してしまいました。当初の記事を引用してくださっていたブロガーの皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。以下、当初の記事を再掲いたします。

世界最大の農産物見本市、「ベルリン国際緑の週間」

【1月20日 AFP】ドイツのベルリン(Berlin)で18日から、世界最大規模の農産物見本市 「ベルリン国際緑の週間(Gruene Woche)」が開催されている。27日までの開催日程で、52か国から1600以上の出展者が参加している。(c)AFP