【1月15日 AFP】国連貿易開発会議(UNCTAD)が14日発表した報告書によると、世界最大の「文化的商品」輸出国は中国とイタリアだという。

「文化的商品」には映画、音楽、伝統工芸、建築、デザインなどの分野の商品が含まれる。この分野における中国の輸出額(香港を除く)は1996年には184億ドル(約2兆円)だったが、2005年には614億ドル(約6兆6000億円)と「前代未聞のダイナミックな成長」を達成したという。

 一方、1996年当時「文化的商品」の輸出で世界第1位だった香港は、同年の244億ドル(約2兆6000億円)から2005年の277億ドル(約2兆9000億円)へとこの分野の輸出額を伸ばした。中国本土と香港をあわせると、2005年の「文化的商品」輸出総額は891ドル(約9兆6000億円)に達したという。

 芸術大国イタリアも「文化的商品」輸出額が1996年の236億ドル(約2兆5000億円)から2005年には280億ドル(約3兆円)に増加。デザイン分野での強さをみせた。

 スパチャイ・パニチャパック(Supachai Panitchpakdi)UNCTAD事務局長は「文化産業」について、「グローバル経済時代に発展途上国にも高度経済成長の機会をもたらす活力のある産業部門の1つ」と評価する。

 その一方で、現在の調査方法ではフランス人デザイナーによるファッション製品も製造場所が中国であれば「中国製品」に分類されることから、関係者はグローバル経済における文化産業の正確な実態把握のためには、さらなる調査と的確な分析が必要だとしている。(c)AFP