【1月8日 AFP】経営不振に苦しむ米自動車大手クライスラー(Chrysler)は7日、同業他社との提携の噂について、これを否定した。

 クライスラーのジム・プレス(Jim Press)副会長は記者会見で、日産自動車(Nissan Motor)との提携交渉が進行中との噂について「現時点でそのような事実は全くない」と断言した。

 また、インドの自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラ(Mahindra & Mahindra)との噂についても「経営幹部レベルでの交渉には至っていない」と述べた。一方で、同氏は将来的なマヒンドラ社との提携の可能性には含みを残した。

 一方で、プレス氏はクライスラーが2006年に自動車製造契約を締結したロシア自動車大手Gorky Auto WorkersGAZ)との提携範囲の拡大を模索していると明かした。

 さらに、中国の奇瑞汽車(チェリー・モーターズ、Chery Motors)とは、安全性および排ガスレベルで国際基準を満たすサブコンパクトカーの製造契約の締結に向け、現在、最終段階にはいっているという。クライスラーは以前、奇瑞汽車が生産する車両を2010年には販売にこぎつけたいと発表していたが、今回の記者会見では具体的な期限は示されなかった。このほか、クライスラーは米国内のミニバン製造でフォルクスワーゲン(VW)とも提携合意している。

 クライスラーの海外市場での自動車販売台数は60万台だが、そのほとんどをメキシコおよびカナダ市場での販売に依存している。(c)AFP