【1月8日 AFP】米ファストフード大手マクドナルド(McDonald)は7日、米コーヒーチェーン大手スターバックス(Starbucks)が君臨する利幅の大きいエスプレッソコーヒー販売への参入計画を検討していることを明らかにした。

■全米でエスプレッソなどを提供へ

 マクドナルドは現在、米国内の800店舗で試験的にエスプレッソマシンを導入してコーヒーを提供しているが、計画ではこれを全米で約1万4000店舗あるほぼ全店に拡大するという。

 マクドナルドのWalt Riker広報担当は「コーヒーだけでなく、すべての飲料を対象とする新戦略だ」と説明。「マクドナルドの店舗は、全米のどこでも最も便利な場所に立地しており、それがわれわれの強み」(広報担当者)と話す。

 マクドナルドの全店舗で、スターバックス同様に「バリスタ」と呼ばれる専門店員にエスプレッソコーヒーを注文できるのも、そう遠い話ではないだろう。

 エスプレッソコーヒーに加え、マクドナルドではカフェラテやカプチーノ、キャラメルマキアート、それに紅茶やアイスティー、ミネラルウォーターなども提供する予定だ。これらのラインナップはスターバックスとまったく同じだ。

 しかし、マクドナルドを訪れた顧客は、スターバックスのように持参のタンブラーにコーヒーを入れてもらうことや、カップのサイズやミルクのタイプなどを好みに応じて選べるカスタマーサービスは得られない。

■「ファストフード業界30年来の大変革」

 マクドナルドの新戦略について、米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は「ファストフード業界における30年来の大変革」と評した。

 1955年に創業したマクドナルドは、現在、100か国以上に約3万店舗を展開し、毎日5200万人の顧客が訪れる。マクドナルドがあえて競争の激しいエスプレッソコーヒー部門への進出を目指すのは、米国の顧客を中心とした飲料の充実を求める要望にこたえたものだと、同紙は分析している。

 一方、1971年にシアトル(Seattle)にオープンした1軒のエスプレッソコーヒー店から出発したスターバックスは、現在では43か国に1万4000店舗を擁し、米国人のコーヒー観をくつがえすまでに成長した。しかし、最近では競合相手も増え、事業展開に苦慮している。(c)AFP/Virginie Montet