【1月4日 AFP】2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国産標準油種(WIT)2月渡しが一時、史上初めて1バレル100ドルに達した。中国の歯止めがかからない原油需要が、原油価格高騰の一因になってはいるが、主要因ではないとアナリストは分析する。

 投機取引、中東などでの情勢不安、米国の石油備蓄増加努力、ドル安などの方が、中国よりも原油価格を100ドルに押し上げた貢献度が高いという。

 フランスの石油アナリストAlain Sepulchre氏は、「中国の石油需要は増加しているが、爆発的なものではない」と指摘、「中国は口実として利用されている」と語る。

 中国は世界第2位の原油輸入国。国際エネルギー機関(International Energy AgencyIEA)は、中国が3年後には米国を抜いて世界第1位になるとみている。

 中国のアナリストは、中国が原油高に一役買っていることは否定できないが、欧米諸国の影響の方が大きく、投機取引がさらに拍車をかけたと指摘する。

「欧米の石油需要は依然として高い。米国は石油備蓄を補充しようともしている」と中国の石油アナリストLiu Youcheng氏は強調する。

 中国の石油需要が増大しても、全体の消費量に関しては、米国の消費量を大きく下回っているのが現状。前年、中国は1日平均716万バレルを消費し、世界第2位。一方米国は、1日平均2069万バレルを消費しており、世界第1に君臨している。(c)AFP/Joelle Garrus