【1月3日 AFP】一般市民の多くは、国の政策決定における大企業の影響力は強すぎて規制が必要だと考えている―先進・新興経済国22か国2万2000人を対象とした世論調査で、国内・多国籍企業を問わず大企業に批判的な見方が強いことがわかった。

 この調査は、世論調査会社イプソス・リード(Ipsos Reid)が2日発表したもの。「大企業の政府決定への影響力は強すぎる」と答えたのは回答者の74%に上り、69%が「大企業は政府よりも力がある」と答えた。

 また、「企業活動における政府の規制を強化すべき」だと答えたのは72%だった。ただし、「政府が企業を監督するべき」と答えたのは約50%にとどまった。

 大企業の台頭に最も懸念を示したのは米国民で、アジア各国は最も懸念が低かった。

 イプソス公共部門のダレル・ブリッカー(Darrell Bricker)社長は、こうした見方が強まるような「重大なきっかけ」は2007年に何も起きておらず、「市民意識が高まった結果」との見方を示す。

「かつては市民は盲目的に企業を信仰していたが、今や企業が自らの価値を証明しなければならない時代になった。信頼は与えられるものではなく獲得するものとなり、それも条件や状況に左右されるようになった」(ブリッカー氏)

 イプソス社は、世論調査の結果を背景に、2008年にはグローバル企業・国内企業の双方を対象として規制強化に乗り出す政府が増える可能性を指摘している。(c)AFP