【12月28日 AFP】(12月28日 一部更新)27日の米株式市場は、パキスタンのベナジル・ブット(Benazir Bhutto)元首相の暗殺による地政学的リスクへの懸念や、緊迫化や同日発表された米経済指標の弱い内容を受けて大幅反落して取引を終了した。

 ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)は前日終値比192ドル8セント(1.42%)安の1万3359ドル61セント、ハイテク株中心のナスダック(Nasdaq)総合株価指数は同47.62ポイント(1.75%)安の2676.79、スタンダード&プアーズ(S&P)500種株価指数も、同21.39ポイント(1.43%)安の1476.27となっている。

 ブット首相暗殺により政治情勢の見通しが不透明になるなか、影響を最小限にしようとする動きにより原油、金、国債の価格は高騰した。

 同日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、軽質スイート原油(2月分)が前日比1ドル32セント高の1バレル97.29ドルを付け続伸した。ブット首相暗殺に加え、米国の原油備蓄量が6週連続で減少していることを受け、一時は1か月ぶりの高値となる1バレル97.69ドルを記録した。英ロンドン(London)の北海ブレント(Brent North Sea)先物(2月分)は、前日比1ドル24セント高の1バレル95.18ドルを付けた。一時は1か月ぶりの高値となる95.42ドルまで値を上げた。

 原油価格は、11月に記録した史上最高値の水準に近付いているが、クリスマスから年末年始の休暇にともない取引量は少ない。(c)AFP