【12月25日 AFP】イタリアの建築資材大手Italcementiは24日、マフィアへの協力を拒むためにシチリア(Sicily)島の子会社Calcestruzziを解散すると発表した。

 同社は声明の中で、イタリアマフィアの本拠地として名高いシチリア島からの撤退は、マフィアに対する「上納金や協力関係を拒否するというメッセージ」だとしている。

「pizzo」と呼ばれる、いわゆるマフィア税を支払っている企業の追放を決めたイタリア工業連盟(Confindustria)は今回の決定を歓迎する姿勢を示した。

 Calcestruzziの社員は26人で、シチリア島内7か所でセメント混合分配所を運営している。今後は既存の契約の仕事と設備のメンテナンスだけをおこなうという。

 Italcementiは、同社が発見した「不正行為」について法的措置をとっている。同社は、今回の決定はマフィアに対する敗北ではなく、不正行為の捜査や不正に関与した者の排除、悪しき慣行を是正するために不可欠な最初の一歩だとしている。

 Italcementiは全世界に2万3000人の社員を抱えており、年間の売上高は約60億ユーロ(約9900億円)に上ると報道されている。(c)AFP