【12月19日 AFP】本田技研工業(ホンダ、Honda Motor)の福井威夫(Takeo Fukui)社長は19日、恒例の年末記者会見で2008年の市場について、低燃費自動車に対する需要の高まりからメーカー間のハイブリッド(HV)車競争が本格化すると予測し、ホンダもHV車への取り組みを強化すると語った。一方で、家庭用電源で充電できるプラグインHV車の開発については価値を見出せないと懐疑的な姿勢を示した。

福井社長は、これまでのHV車事業は潜在顧客に対する印象づけやイメージづくりが中心で、求めやすい価格で収益性のある自動車を生産するものではなかったと述べ、ライバルのトヨタ自動車(Toyota Motor)が人気車種「プリウス」でHV車市場では一歩、先んじている点を認めたが、「本当の競争」はこれから始まると語った。

 ホンダは2009年に新型のハイブリッド専用車の投入を予定しており、また東京モーターショー(Tokyo Motor Show)に出展したCR-Zをベースとした新型「スポーツハイブリッド」も数年内に世界で販売していくとしている。

■プラグインHV開発を疑問視

 一方で、家庭用電源での充電が可能なプラグインHV車の研究については、まったく意味を見出せないとした。プラグインHV車の実用化には、バッテリーの容量、重量、大きさで大幅な改善が必要なほか、モーターやエンジンといった他の部品も現状のままでは対応できないという。

 福井社長は、プラグイン(HV車)の開発の合理性が理解できないと述べた。トヨタをはじめ多くの研究所や電気関連企業では現在、従来の自動車よりもより環境に優しい代替技術としてプラグインHVの研究を進めている。

■08年国際市場、好調維持が目標

 また国際市場について福井社長は、2008年も堅固な成長を維持するため中国、欧州、米国での販売を強化していくと述べた。2007年のホンダの世界販売台数は合計376万台、前年より6%増となる見通しだ。中国では17%増で過去最高の49万台を達成するとみている。2008年の欧州販売台数は11%増の42万台を、経済が軟調にある米国では3%増の159万台を見込んでいる。

 一方、市場全体の縮小から2007年、12%減の62万台と見込まれている国内販売にも今後、力を入れていくとしている。(c) AFP