【12月1日 AFP】イタリアで11月30日、過去25年で最大規模の交通機関のストライキが実施された。旅客機数百便のほか、電車、バス、連絡フェリーが運休、救急車や霊きゅう車も業務を停止した。

 今回のストライキは、中道左派のロマーノ・プローディ(Romano Prodi)政権が2008年予算案で交通部門に十分な支出を盛り込まなかったことに抗議するもので、主要労組CGILCISLUILの呼びかけで、3団体の組合員1200万人のうち8割近くが参加したという。

 新聞報道によると同国での交通ゼネストは25年ぶりだという。

 特に影響が大きかったのは同国北部、金融の中心地ミラノで、市内の地下鉄3線が全面的に運行を取り止めた。一方ローマ(Rome)市内では、タクシー営業許可の拡大案に反対し2日間にわたりストを行っていたタクシーが営業を再開、通勤の足となった。

 バスや電車、地下鉄がほとんど運休となったため、通勤の自家用車が各地で大渋滞を引き起こした。

 条例で定められた交通ラッシュ時における運行の最低水準が異なり、ストの実施時間は部門や場所によってまちまちとなった。

 空港では、パイロットのほか客室乗務員や地上勤務員もストに参加。ローマやミラノ(Milan)の主要空港発着の450便以上がキャンセルされた。

 航空専門通信社Telenewsは、ローマ発着の国際線・国内線合わせて266便がキャンセルされたと報じた。ANSA通信によると、ミラノの2つの国際空港で合計205便が運行を取り止めたという。(c)AFP