【11月28日 AFP】ロシアの政府系天然ガス独占企業ガスプロム(Gazprom)は27日、ロシア政府がトルクメニスタンから輸入する天然ガスの価格を大幅に引き上げることに合意したと発表した。一方、今回の値上げにより欧州諸国での価格上昇が懸念されている。

 ガスプロムは声明で、「天然ガス価格は1000立方メートルあたり、2008年前半は130ドル(約1万4000円)、後半は150ドル(約1万6000円)になる見込みだ」と発表。現在、ロシアは1000立方メートルあたり100ドル(約1万800円)を支払っている。

 声明の発表に先立ち、トルクメニスタンで同国のグルバングルイ・ベルドイムハメドフ(Gurbanguly Berdymukhamedov)大統領とガスプロムのアレクセイ・ミラー(Alexei Miller)CEOが会談した。事前の報道では、ガスプロムは2008年中のガス輸出価格の値上げに向けて動いていたため、ロシアの輸入価格の引き上げは欧州諸国向け天然ガスの価格に影響を及ぼす可能性があると伝えられていた。

 ロシアの天然ガス埋蔵量は世界最大規模だが、開発が遅れていることから供給をトルクメニスタンからの輸入も必要としている。また、欧州連合(EU)各国は、ガス供給の4分の1をロシアに依存している。

 EUは前年、ウクライナを経由して供給される天然ガスが一時停止された際に連鎖的に影響を受けた国もあったことから、供給元の多様化に取り組んでいる。 (c)AFP