【11月22日 AFP】マレーシアのアブドラ・バダウィ(Abdullah Badawi)首相は訪問中のシンガポールで21日、マレーシアの自動車メーカー、プロトン(Proton)がドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VolkswagenVW)との提携交渉で合意に至らなかったものの、同社の経営救済は行わない考えを示した。

 経営不振の同社について、アブドラ首相は「順調」と主張。一方アナリストらは、新モデルの少なさや品質への不信から国内市場のシェア低下と連続する赤字に苦しんでいる同社は、フォルクスワーゲンとの提携がなければ今後も経営改善は見られないと指摘している。

 プロトンの主要株主、マレーシア政府投資会社カザナ・ナショナル(Khazanah Nasional)は20日、3年に及ぶVWとの交渉を中止し、また米自動車大手ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)との交渉も終了したと発表した。

 これを受け、21日のプロトン株は、約10年ぶりの低水準となり、終値は前日比92セン(18.6%)安の4.02リンギット(約129円)だった。

 アナリストおよび業界筋はプロトンには解決すべき課題が多いと語る。独日刊経済紙ハンデルスブラット(Handelsblatt)は、VWは現在、アジアでの提携相手を模索しているが、インドネシアやタイに焦点を絞っていると報じた。(c)AFP