【11月19日 AFP】サウジアラビアのリヤド(Riyadh)で開かれていた石油輸出国機構(OPEC)の首脳会議は18日、原油の安定した供給を行っていくと表明した。今回の会議では、将来の方向性をめぐって穏健派と強硬派が衝突する場面も見られた。

 AFPが事前に入手した資料によると、加盟13か国に拡大したばかりのOPECが採択した宣言は、全体的に穏健派であるサウジアラビアの意向が反映された形となり、市場への安定供給や世界平和に向けた取り組み、「クリーン・オイル」技術の支援などが盛り込まれた。

 世界の石油供給量の4割を占めるOPECはアラビア語で宣言を読み上げ「エネルギー部門への投資と市場の安定を保証するため、われわれは世界平和の重要性を訴える」と表明した。

 一方、原油価格が1バレル100ドルの大台に迫るなか、消費国が求める増産については言及されなかった。

 ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は17日の開会式で、OPECが「地政学的な仲介者」となるよう要請し、主催国サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王から、「石油を争いの道具に使ってはならない」とたしなめられる一幕もあった。

 また、今回の首脳会議から再加盟したエクアドルのラファエル・ビセカンテ・コレア・デルガド( Rafael Vicente Correa Delgado)大統領とチャベス大統領はより政治色の強い行動方針の採択を訴えたが、親米派のサウジアラビアから反対にあった。(c)AFP/Adam Plowright