【10月25日 AFP】シンガポール空港を25日午前に飛び立った世界最大の超大型旅客機、エアバス(Airbus)A380の商業運航第1便が同日、7時間7分の飛行を終えてオーストラリアのシドニー(Sydney)空港に到着した。

 総2階建てで通常サイズの旅客機ならば850席以上を確保できる超大型旅客機は、度重なる納入遅れやコスト超過などトラブルに見舞われたが、初就航は無事に終了した。

 A380機が着地した瞬間、機内の乗客からは3度にわたる歓声と拍手があがった。

 シドニー空港の管制官イアン・ホーランド(Ian Holland)氏は、着陸した同機を目にして「巨人」に例えた。同氏は、A380機の着陸を「教科書通りの美しい着地だった」と述べ、シンガポール航空(Singapore Airlines)クルーを評価した。
 
 同機の飛行中、ネットオークションで歴史的な初飛行のチケットを手にした世界各地からの乗客455人は、機内で豪華な食事を楽しんだ。

  ファーストクラスの上をいくとの触れ込みの「スイートクラス」の乗客には、高級シャンペン「ドン・ペリニョン(Dom Perignon)」1996年物のロゼ、キャビア、鴨肉のロースト、タラのムニエルなどが振る舞われた。

 同機の「スーパープレミアムシート」を最高価格で落札したジュリアン・ヘイワード(Julian Hayward)さんは、豪華ないたれりつくせりのサービスに、「まるで、機内のパーティーに招かれたみたいだった。すっかりぜいたくざんまいしてしまった」と満足気だ。

 料理のほかにも、エンジン音を抑えた静かな機内や、シンガポール航空がA380機向けに特注した豪華な内装も、乗客からの絶賛をうけた。

 同機の片道航空券を3500ドル(約40万円)で購入したJohann Albrechtrさんは、「機体がかなり大きいから、エコノミークラスでも、十分な座席スペースが確保されている」と語る。(c)AFP/Bernice Han