【10月20日 AFP】交通・エネルギー関連の公共企業体労組による大規模ストライキが続くフランスで19日、一部労組がストの2日間延長を決定し、交通機関のさらなる混乱が懸念されている。

 仏国鉄(SNCF)は、20日から21日にかけて国内20地区のうち8地区でダイヤが乱れると予測。ただし、高速列車TGVはほぼ通常どおり運行すると発表した。

 労組側は、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領が提唱する特別年金の納入期間延長に反対している。仏鉄道・エネルギー関連公共企業体の特別年金制度ではこれまで納入期間が37年6か月だったが、同大統領は「社会的公正の観点から」納入期間を他の公企業や一般企業並みの40年に延長する方針だ。

 18日に開始されたストには全職員160万人のうち75%が参加しており、ここ数年で最大規模となっている。ストは週末も続行されるため、地下鉄やパリ(Paris)郊外の電車などに影響が出るとみられる。

 SNCFによると、20日は07ラグビーW杯(World Cup)の決勝を数万人のファンが観戦するため、欧州高速鉄道ユーロスター(Eurostar)は通常どおり運行されている。また、試合が行われるスタッド・ド・フランス(Stade de France)に向かう電車も、20日夜は通常どおり運行する。

 主要労組幹部らは22日に会合を開いて今後の対応を協議するが、政府との早急な交渉を求める声もあり、ストの延長をめぐって意見が分かれている。

 政府側はストを受けた軌道修正は行わず、年金改革を貫く構えだ。(c)AFP/Hugh Schofield