【10月11日 AFP】旧ソ連諸国やポーランドの5か国は10日、リトアニアで首脳会談を開き、ロシアを迂回(うかい)する石油パイプラインの建設協定に署名した。石油供給を多角化し、エネルギー分野でのロシア政府の影響力の低下を目指したものと見られる。

 首脳会談に参加したホスト国リトアニアやアゼルバイジャン、グルジア、ウクライナ、ポーランドなど5か国を含め、旧ソ連諸国や欧州諸国の多くは、石油や天然ガスなどの主要エネルギーをロシアからの輸入に依存している。ロシアは輸出国の立場を利用し、エネルギー市場での支配力を拡大し輸入国に対する影響力を強めている。

 グルジアのミハイル・サーカシビリ(Mikheil Saakashvili)大統領は今回の合意に関し、「エネルギー政策だけでなく地政学的に重要なもので、新たな戦略関係ができつつある」と語った。同大統領は、新西欧的な姿勢でロシア政府と対立している。
 
 首脳会談に参加した5か国は、ウクライナにある既存のパイプラインを基礎にして、カスピ海とバルト海を結ぶパイプラインを新たに建設し、2011年までに輸送を開始することを目的にしている。(c)AFP/Jonathan Fowler