【9月26日 AFP】インターネット通販大手、米アマゾン(Amazon)は25日、オンライン音楽配信サービス「Amazon MP3」を立ち上げたと発表した。

 米アップル(Apple)のiPod専用音楽オンラインストア「iTunes」に対抗するサービスとなる「Amazon MP3」は、アマゾンのサイトからアクセスすれば誰でもデジタル音楽の楽曲の購入やダウンロードが可能というもの。しかも、これらの楽曲はデジタル著作権の対象外なため、ダウンロードした楽曲のコピーも可能だ。

 アマゾンのデジタル音楽部門副社長ビル・カー(Bill Carr)氏によると、「デジタル著作権管理(DRM)技術の付加がない楽曲を揃えたことで、アマゾンの顧客に幅広いサービス提供が可能となった」と胸を張る。

 アマゾンは「Amazon MP3」用にEMI MusicUniversal Music Groupなど大手を含む2万レーベルの楽曲200万以上をそろえる。アーティスト数も18万を超える。

 1曲当たりの価格は89セント(約102円)から99セント(約113円)、アルバムの価格は5.99ドル(約690円)から9.99ドル(約1150円)。

 ラザード・キャピタル・マーケッツ(Lazard Capital Markets)のアナリスト、コリン・セバスチャン(Colin Sebastian)氏は、「Amazon MP3」はアップルの「iTunes」やReal Networks、米小売大手ウォルマート・ストアーズ(Wal-Mart)などが提供する音楽配信サービスと類似したものながら、ビデオや書籍のオンライン販売ですでに実績を上げるアマゾンにネット楽曲販売サービスが加わることで、顧客への強力なアピールとなると指摘する。

 特にほとんどの音楽機器と互換性があることが「Amazon MP3」の強みだ。「iTunes」で購入した楽曲はiPodでしか聴くことができない。

 セバスチャン氏は、「アマゾンが複製保護の付かない楽曲販売に乗り出したことで、今後はオープンフォーマットが優勢になるだろう。楽曲販売業者にとっても『Amazon MP3』は無視できない存在となる」との見方を示した。(c)AFP