【9月15日 AFP】ソニー(Sony)は最先端半導体の生産設備を約1000億円で東芝に売却する。15日の日経新聞(Nikkei business daily)が報じた。

 この売却によってソニーは事実上、最先端半導体の生産から撤退し、映像、音響機器といった分野に経営を集中することになる。

 両社は、1~2ヵ月中に契約をまとめる見通しで、対象はソニーの生産子会社ソニーセミコンダクタ九州(Sony Semiconductor Kyushu)の長崎テクノロジーセンターにあるシステムLSI(大規模集積回路)製造ラインとなる。

 ほかにも、プレイステーション3(PS3)用にソニー、東芝(Toshiba)、米IBMが共同開発した超小型演算処理装置「セル(Cell)」やゲーム機やビデオカメラ用の画像処理LSIなどの生産設備も対象に含まれる見通し。

 契約では設備は現在のソニーの工場に置いたまま所有権を東芝に移し、製造ラインの従業員は引き続きソニーが雇用する。

 両社はシステムLSI製造ラインを運営する新会社を共同で立ち上げる予定。

 システムチップの販売で現在世界第3位の東芝は、世界シェアを拡大し米インテル(Intel)や韓国サムスン電子(Samsung electronics)に追いつきたい考え。(c)AFP