【9月15日 AFP】旧東独経済のシンボル的存在だった自動車トラバント(Trabant)を復活させようという計画が12日、ドイツの玩具メーカー、ヘルパ(Herpa)によって発表された。同社が生産・販売したトラバントのミニチュアモデルは大好評で商品が売り切れたため、実物のトラバント復活に協力してくれるメーカーを探しているという。
 
 「ドイツでミニチュアモデルは10万台売れた。トラバントに対するドイツ国民の愛着は極めて強い」と、同社の広報担当者はフランクフルトの「第62回国際モーターショー(International Motor ShowIAA)」会場で語った。

 箱形ボディに、堅いシートが載ったトラバントは1957年に、旧東独国営企業VEBザクセンリンク(VEB Sachsenring)により開発された。旧東ドイツのザクセン(Saxony)州ツヴィッカウ(Zwickau)で生産され、東独の国民のほとんどはこれに乗っていた。ベルリンの壁崩壊の2年後の1991年、その生産が中止された。

 旧東独崩壊直後には二束三文でたたき売られていたが、全生産台数はわずか300万台だったことから、その後、マニアのコレクションの対象となった。

 トラバントのニュー・モデルはかつての設計図に忠実に製作されるものの、最新のテクノロジーを採用するためにトランク部分が短くなるだろうとバイエルン(Bavaria)に拠点をおくヘルパは予想する。

 協力メーカーについては、かつてVEBザクセンリンクがあったザクセン州の企業を希望しているという。(c)AFP