【9月1日 AFP】米インターネット検索大手のグーグル(Google)は31日、ユーザーが仏AFPをはじめとする大手通信社の配信する記事に直接アクセスできるサービスを開始したと発表した。

 これまで同社のニュースサイトでは、AFPなどの国際通信社や、英プレス・アソシエーション(PA)など国内通信社が配信する記事は、配信先の新聞社などのサイト上で編集されたものしか読むことができなかった。

 同社は声明で、大手通信社数社との契約により、「本日からグーグルニュース(Google News)のユーザーは、世界のトップクラスの通信社を含めニュース発信元のオリジナル記事を素早く簡単に閲覧し、直接アクセスすることが可能となった」と発表した。

 新しいグーグルニュースでは、通信社からの記事を直接同社のページに掲載しているため、ある1つのニュースについて、通信社が配信したオリジナルの記事と、配信先の新聞社などがほかの情報を編集して作成した記事を比較することが可能となる。

 同社によると、「この取り組みは、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、特ダネを追うジャーナリストや報道機関を正当に評価するものになる」という。

 グーグルニュースでは、通信社が配信した記事へのアクセスと、ほかのウェブ媒体の同じニュースについての記事とリンクさせることで、「世界各地で取材するより多くのジャーナリストの視点を提供することができる」としている。

 これについてAFP側は、「今回通信社と契約を結んだことで、グーグルが通信社各社のニュースの質やそれぞれの視点の独自性を評価していることが分かる」と評価したうえで、「これにより、国際ニュースへのアクセスが簡単になること、また、解説記事や論説などについてさまざまな報道機関のサイトを閲覧することを誘導するという2つの効果が期待できる」(ピエール・ルエット(Pierre Louette)最高経営責任者(CEO))とコメントした。

 このサービスでAFPの記事が閲覧できるのは現在のところ、英語、仏語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語、およびアラビア語となっている。グーグルは現在35か国語で検索サービスを展開している。

 ニュース、写真、グラフィック、およびビデオの配信で世界最大規模を誇るAFPは、これまで米ヤフー(Yahoo)、米マイクロソフトのMSN、米AOL、 仏Orangeなどのインターネットニュース配信サイトと記事掲載の契約を交わしている。グーグルとは4月に記事と写真のライセンス契約を結んでいる。(c)AFP