【8月24日 AFP】ニューヨーク(New York)市当局による全タクシーへの衛星利用測位システム(GPS)導入計画に反対しているニューヨーク・タクシー労働者同盟(New York Taxi Workers Alliance)は23日、市当局が計画を放棄しない場合には9月5日から48時間のストライキを実施すると発表した。

 同同盟は、市内で営業するタクシー運転手2万6000人のうち約8400人が加盟する団体。

 同盟のBhairavi Desai事務局長はAFPに対し、「ストライキは9月5日の午前5時に開始の予定だが、当方の要求を市当局が事前に受け入れた場合には、当然ながらストは回避される」と語った。

 市の計画では10月1日までに、市内の全タクシーにGPSを導入するとしているが、運転手らはこれは人権侵害にあたると主張。計画を主導しているとして、同市のタクシー・リムジン委員会(Taxi and Limousine CommissionTLC)を非難している。

 ニューヨーク・タクシー労働者同盟によると、同システムの導入には1台当たり5000ドル(約58万円)以上の費用がかかる上、システムを介してTLCに現在地、1日の乗客数と運賃が報告される。

 GPS導入に反対する理由についてDesai氏は、「走行状況をGPSで常時監視されるなどまっぴら」と説明。市内の全タクシー運転手にストへの参加を呼びかけている。

 また、前月のAFPとのインタビューでもDesai氏は、「運転手らは非番の日に私用でタクシーを使用することもある。日曜日に家族とどこへ行ったかを、いちいちTLCに知らせる必要などない。GPS導入はプライバシーの侵害だ」と憤りを示している。

 導入予定のGPSシステムには乗客用のモニターもついており、これにより乗客は銀行カードで料金支払いをできるほか、走行ルートの確認やニュース、天気予報のチェックもできる。

 ストが実施された場合、日常的にタクシーを利用する乗客ら約80万人が影響をうけ、ニューヨーク市内が混乱に陥るのは必至だ。

 同同盟の話では、ニューヨークでの大規模なタクシーストは1998年以来となる。(c)AFP