【8月19日 AFP】「世界一の自動車メーカー」の地位をめぐりトヨタ自動車(Toyota Motor)と激しい競争を繰り広げる米ゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)のリック・ワゴナー(Richard Wagoner)会長は17日夜、通貨市場において円が依然として過小評価されているとの見方を示した。

 米市場17日の取引終了後に記者会見に臨み、「今後5年から10年間はドル安傾向になると見られる」と語るワゴナー会長は、米国の自動車メーカーが「過小評価されている日本円」を焦点とした大規模キャンペーンを開始したと明言。

 GMの見解によると、1ドル114円は、1ドル120円に比べてはるかに好ましい相場だという。ワゴナー会長は、円の真の価値は90円から100円程度で、その水準まで円高が進めば「競争環境が劇的に変わる。欧州の自動車メーカーも同意見だと思う」と述べ、さらに、「円高が進めばドルやユーロがより安定する。アジアの通貨、特に円が調整されれば、欧州のメーカーにとって好条件となる」と語った。

 また、ワゴナー会長は、アジア通貨の調整により、自動車製造や自動車関連の雇用の米国からの流出に歯止めがかかる可能性があるとの見方を示した。(c)AFP/Joseph Szczesny