【8月13日 AFP】中国国家統計局(National Bureau of StatisticsNBS)が発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で5.6%増となり、インフレが過去10年以上みられなかった高い水準で進んでいることが明らかになった。これを受け、中国当局が一層の金融引き締めに動く可能性がある。

 CPIの5.6%増は、2007年通年の政府目標値である3.0%のほぼ2倍の水準。
 
 国営中国証券報(China Securities Journal)は、中国人民銀行(中央銀行)の国際部門副局長、Zhang Tao氏の談話として「さまざまな経済指標が上昇傾向にあり、警戒域に達する可能性がある。現在の目標は経済が『急速な成長』から『過熱』に転じるのを防ぐことだ」と報じた。

 インフレ率が急上昇した背景には、食料品価格が前年同月比で15.4%も急騰したことがある。精肉に限ると45.2%も上昇しており、温家宝(Wen Jiabao)首相は、中国国民の主要なたんぱく源となっている豚肉について、安価な供給を確保するよう生産者らに要望した。

 7月のインフレ率が急上昇したことについては、中国国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)も「過去10年以上で最大」と報じており、欧米のエコノミストらもこの見方に同意している。

 エコノミストの間では、6月に前年同月比4.4%増だったCPIが急上昇したことを受けてインフレ懸念が高まる一方、中国政府が金利引き上げに踏み切る公算が大きいとの見方が増えている。

 中国国内の消費者物価指数は、今年に入って毎月、前年同期比で3.5%以上の上昇を示している。(c)AFP