【8月3日 AFP】米玩具大手フィッシャー・プライス(Fisher-Price)が1日に塗料に許容量を超える量の鉛が含まれているとして中国製玩具約100万個の回収を発表したが、中国製品に関する不祥事が相次ぐ中、米国では中国への業務委託に対する憤りが高まっている。

 中国の貿易政策について厳しい批判を展開する「エコノミスト(Economist)」誌は、「米国が中国製品をボイコットしないのは、これまで子どもが死ぬような事態が起こっていないからだ」との見方を示し、「残念ながらそういった悲劇が起こるまで『口にするもの、子どもが触れるものは、中国製品は購入しないように』とは言えないだろう」という。

 高まる反感とは裏腹に、豊富な労働力を背景に安価で生産される中国製品をボイコットするのは容易ではない。実際、米国の中国製品への依存度は高く、2006年の米国の対中貿易赤字は2330億ドル(約28兆円)に上る。一方、中国経済への依存が高まるにつれ、米国内の雇用縮小は中国のせいだとの不満も高まっている。

 民主党は、対中貿易の是正に向けた具体的な対策をとっていないとしてジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権を批判。特に中国が貿易不均衡による利益維持のために通貨操作を行っていることについて、同国政府に対し公式な批判を行っていないと不満の声を上げている。

 民主党はまた、中国政府に対し強硬措置を取るよう財務省に強制できる法案の成立を図っている。この法案は上院の銀行住宅都市委員会(Committee on Banking, Housing, and Urban Affairs)で承認されており、議会を通過する可能性が高いと見られている。

 一方、中国の薄熙来(Bo Xilai)商務相は2日、「中国製品は99%高品質で安全だ」と述べている。(c)AFP/Claire Gallen