【7月12日 AFP】ロシア政府系ガス独占企業ガスプロム(Gazprom)が、北極圏に近いバレンツ海にある世界最大級とされるシュトックマン(Shtokman)海底ガス田開発の提携企業として仏石油メジャー、トタル(Total)を選択したと発表した。アレクセイ・ミラー(Alexei Miller)ガスプロムCEOが12日、声明で明らかにした。

 ミラーCEOは「ガスプロムは、シュトックマン・ガス田開発の第1段階を開始するためのパートナーとなる外国企業を決定した。フランスのトタル」だと発表した。

 同契約によりトタルは、プロジェクト第1段階のために設立される会社の株式25%を保有することになる。一方、ガスプロムは同管理会社の株式51%を維持する。残りの24%の株式は、そのほかの外国企業に分配される。

 またプロジェクトのライセンス管理を行う会社は、ガスプロムが100%所有する。声明ではガスプロムが「依然、採掘されるすべての炭化水素の所有権を持つ」と強調している。

 バレンツ海にあるシュトックマン・ガス田は、世界最大の埋蔵量3兆7000万立方メートルのガスが眠るといわれながら、これまで未発掘。欧州および米国に大量のエネルギー供給をもたらす可能性があるとして期待されている。

 ガスプロム側は2006年10月、同ガス田開発を外国資本と提携せず単独で行うと発表し、提携相手として名前の挙がっていた米シェブロン(Chevron)やコノコフィリップス(ConocoPhillips)、今回の仏トタル、ノルウェーのノルスク・ハイドロ(Norsk Hydro)や同スタットオイル(Statoil)などを驚がくさせていた。(c)AFP