ボーイング新型機の使用素材、航空機業界に革命か
このニュースをシェア
【7月8日 AFP】米航空機大手ボーイング(Boeing)が乗員300人の次世代中型旅客機、「787ドリームライナー(787 Dreamliner)」で初めて用いる新素材は航空産業界に大きな変革をもたらす。同社の関係者が6日、8日に予定される787ドリームライナーの正式な公開を控えて明かした。
■軽量化によるコスト削減
強度は通常の素材の2倍で、アルミより軽く、耐火性も強いこの炭素繊維は、最先端技術を用いることで実現した。
同社幹部は、同機の機体の50%にこの素材を用いるが、これによる支障は見あたらないと語る。
同素材の採用によって787ドリームライナーは燃費の抑制を実現。ボーイングによると、同機の燃費は同サイズの旅客機に比べ、約20%抑えられたという。
航空産業は世界の化石燃料消費の約4%を占めており、787ドリームライナーの燃費効率は各航空会社にとって魅力となる。
各航空会社は現在、運行コストの大幅削減を目指しており、機体の軽量化が、重量により計算される空港の離着陸料の削減につながる。
また、素材の耐久性は整備コストの削減にも直接的に関係してくる。787ドリームライナーの主任エンジニアは、「新素材に疲労や劣化はないので整備に問題は発生しない。アルミは腐食するが、新素材にはこれがない」と語る。
■劣化しない新素材
ボーイングは787ドリームライナーの耐用年数について公表していないが、20年から30年とされる通常の旅客機の耐用年数は上回ると見込む。
新素材に想定される欠点があるかとの問いに対して主任エンジニアは、長距離旅客機777型機に用いられている新素材の基幹のパーツを例にとり、「長期間にわたって正常に機能していることに目を見はる。床の部分に使われる梁(はり)は12年を経ても新品同様」と述べ、素材が劣化しないことを強調した。
ボーイングが、この新素材は将来商業航空産業の主役となるだろうと語るが、着陸装置などには金属部品が今後も使用される以上、新素材だけで製造される航空機が空を飛ぶことはなさそうだとこのエンジニアは話す。
またボーイング製品の差別化戦略担当者は、利用者が新型機のデザインに顕著な違いを感じることができると語る。新素材の使用により、窓の大きさを通常より65%拡大することが可能となるなど、「かつて不可能だったことが、可能となった」と話す。
新素材は通常高度2700メートルまで待つ必要のある客室の加圧を高度2000メートルで可能とするという。
素材が腐食しにくいため、機内の湿度を現在のほぼ0%から15%程度にすることも可能になる。これにより、これまで空の旅につきものだった目のかゆみや頭痛は過去のものとなるかもしれない。(c)AFP
■軽量化によるコスト削減
強度は通常の素材の2倍で、アルミより軽く、耐火性も強いこの炭素繊維は、最先端技術を用いることで実現した。
同社幹部は、同機の機体の50%にこの素材を用いるが、これによる支障は見あたらないと語る。
同素材の採用によって787ドリームライナーは燃費の抑制を実現。ボーイングによると、同機の燃費は同サイズの旅客機に比べ、約20%抑えられたという。
航空産業は世界の化石燃料消費の約4%を占めており、787ドリームライナーの燃費効率は各航空会社にとって魅力となる。
各航空会社は現在、運行コストの大幅削減を目指しており、機体の軽量化が、重量により計算される空港の離着陸料の削減につながる。
また、素材の耐久性は整備コストの削減にも直接的に関係してくる。787ドリームライナーの主任エンジニアは、「新素材に疲労や劣化はないので整備に問題は発生しない。アルミは腐食するが、新素材にはこれがない」と語る。
■劣化しない新素材
ボーイングは787ドリームライナーの耐用年数について公表していないが、20年から30年とされる通常の旅客機の耐用年数は上回ると見込む。
新素材に想定される欠点があるかとの問いに対して主任エンジニアは、長距離旅客機777型機に用いられている新素材の基幹のパーツを例にとり、「長期間にわたって正常に機能していることに目を見はる。床の部分に使われる梁(はり)は12年を経ても新品同様」と述べ、素材が劣化しないことを強調した。
ボーイングが、この新素材は将来商業航空産業の主役となるだろうと語るが、着陸装置などには金属部品が今後も使用される以上、新素材だけで製造される航空機が空を飛ぶことはなさそうだとこのエンジニアは話す。
またボーイング製品の差別化戦略担当者は、利用者が新型機のデザインに顕著な違いを感じることができると語る。新素材の使用により、窓の大きさを通常より65%拡大することが可能となるなど、「かつて不可能だったことが、可能となった」と話す。
新素材は通常高度2700メートルまで待つ必要のある客室の加圧を高度2000メートルで可能とするという。
素材が腐食しにくいため、機内の湿度を現在のほぼ0%から15%程度にすることも可能になる。これにより、これまで空の旅につきものだった目のかゆみや頭痛は過去のものとなるかもしれない。(c)AFP