【6月28日 AFP】ダウ・ジョーンズ(Dow Jones & Co.DJ)の買収問題で、同社が所有する米経済紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)の従業員200人が27日、買収に反対してストを行った。DJ労組(Independent Association of Publishers’ EmployeesIAPE)が明らかにした。

 IAPEは、5月に提案されたルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏率いるメディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp.)による50億ドル(約6100億円)の買収案に対し危機感を強めている。

 IAPEは声明を発表し、その中で「IAPEとそれに代表される数百人のDJ従業員は、WSJの編集上の良心はオーナーがジャーナリズムの独立性にどれだけ理解を示すかによるという信念を表明する」と述べた。

 自身が世界中に抱えるメディア網の利益のためにマードック氏が出版の独立を侵すことを懸念し、買収について公に反対意見を表明する記者もいる。

 創業者一家のバンクロフト家は編集権の独立に懸念を示しマードック氏の買収案を拒絶したと報じられたが、アナリストによると一家は興味を示していたという。

 スト参加者は、同日午後には仕事を再開した。DJの広報によると29日のWSJ紙は通常通り発行される。

 記者たちは同時に、DJの重役に対する厚遇に対しても批判を浴びせた。

 同紙は全世界で700人の従業員を抱え、うち600人が米国内で勤務している。デモに参加したのは全従業員数の約3分の1にあたる。(c)AFP