【6月26日 AFP】世界銀行(World Bank)は25日、ロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)氏(53)を世銀次期総裁として承認した。ポール・ウルフォウィッツ(Paul Wolfowitz)総裁のスキャンダルで世界中で信用を失った世銀は、これにより再出発に向けて動き出すこととなった。

 24人で構成される世銀理事会は、ゼーリック氏を11代目世銀総裁として満場一致で承認したと声明で発表した。同氏の任期は5年。

 ゼーリック氏は米通商代表部(U.S. Trade RepresentativeUSTR)元代表で前米国務副長官も務めた。現在は米大手投資銀行ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の副会長を務めている。

 ゼーリック氏には世銀の信用回復という任務が待ちかまえているが、声明で「世銀総裁就任後は、世界で貧困克服に取り組んでいる人々と積極的に会いたい。特にアフリカに目を向けて、社会的・経済的発展を促進し、成長に向けて投資し、希望・機会・尊厳を助長させていきたい」と意気込みを語った。

 一方、ウルフォウィッツ総裁の2年間の任期は多難だった。同総裁は交際相手の女性職員を厚遇したことについて理事会で内部規定違反と裁定され、辞任を余儀なくされた。同総裁は30日に退任する予定。(c)AFP/Veronica Smith