【6月21日 AFP】ソニー(Sony)は都内で21日、第90回定時株主総会を開催した。このなかで同社経営陣は、事業立て直しは堅調に進ちょくしていると発表した。一方、新製品の販売促進において過去の過ちは繰り返さないと明言した。

 2007年度には大幅な利益増を見込むソニーだが、近年はウォークマン(Walkman)事業で米アップル(Apple)のライバル機種iPodに遅れをとるなど低迷が続いていた。ハワード・ストリンガー(Howard Stringer)会長兼CEOは、株主ら6700人を前に「新ソフト開発に2年間にわたって力を注いできた。ソニーは、同じ間違いを繰り返すことはない」と説明した。

 大量の資金を投入したプレイステーション3(PlayStation 3PS3)開発など、ゲーム事業部門での赤字計上への批判については、前年末の発売時には550万台も出荷していると反論。他社に追随を許した点は認めながらも、「ハード面での初期損失はあるが、ソフト販売を促進し損失は回収する」と自信をみせた。また、「ソニーの将来にとってPS3は重要な製品。必ず成功させる」と語り、製造面での問題はすべて解決済みで、同部門の事業はすでに「復活した」との見解を示した。

 PS3については、現在購入可能な60タイトルに加え、2008年3月までの年度内に約200タイトルを大幅に投入するという。ネットワーク対応製品は現在の50タイトルから約180タイトルとなる。

 2005年にソニー初の外国人経営者として就任したストリンガー会長兼CEOは、就任以来、1万人の雇用削減を含む大幅な構造改革を進めてきた。英国ウェールズ出身の同氏は元テレビ・ジャーナリストで英国の爵位を授与された名士でもあるが、記者会見では「私自身は外国人でなく、ソニーで戦うソニー戦士。株主のみなさんも同じくソニー戦士だ」とも発言し、会場を沸かせた。(c)AFP/Miwa Suzuki